Best name ~ 追憶 ~
第8章 過去・・・未来・・・そして今
『お待たせ~』
コンビニから戻った私は
コンコンと運転席の窓を叩いて
ユウキくんを呼んだ
『・・・千葉くん、どうしたの??』
ユウキくんは
背を向けて何かを探していた
『あ・・・悪い、とりあえず乗って』
『??私…ここで良いよ?』
『バカ……何時だと思ってんだ
なんかあってお前の彼氏に
張り倒されたらたまんねぇぜ
あんな剛腕でアタックくらったら
ひとたまりもねぇだろ?(笑)
早く乗れよ♪』
『ふふ・・・なんてこと言ってるのよ(笑)
あ、これ…お待たせ♪』
コンビニの袋を手渡す
『???…おい!片瀬
飲酒運転させる気か?!
お前もグレたもんだな!?』
『ゃ…やだ!飲み物は
ちゃんと別であるよ!
お酒は・・・良かったら
帰ったら飲んで?
今日…飲めなかったでしょ?
ごめんね』
『・・・片瀬って変わらないな(笑)』
『・・・』
『サンキュ♪
てか、どうせなら一杯付き合えよ(笑)』
『え…?・・・だって』
『冗談(笑)また今度みんなでな♪
…よし、ちょっと急いで行くか
バレーの貴公子が待ってるだろ?(笑)』
『きこうし・・・???って…(苦笑)
あ、千葉くん探しものは?』
『あ~…ケータイ落とした
大丈夫、あとで拾うからいい』
千葉くんはシートの隙間に伸ばした手を
引っ込めて
運転席に戻ろうとする
『あ…よく、あるよね』
リョウキも時々落として悪戦苦闘してる…
『・・・』
千葉くんが私の手をチラリと見ていた
『ふふふ、私が…取ろうか?(笑)』
男の人の大きな手は
車のシートの狭い隙間に
落ちたものを拾うには
少し・・・大変なのは私も知っている