無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

『はなしてぇ・・・っ』




バタバタ…バタバタ…




必死・・・というか本能的に
両足をジタバタして逃れる

もう…千葉くんの目を
見れなかった




私に…こんなことをしてるのは
高校時代の友人


再会を喜んでくれて
これからも
友達でいてくれようとしている友人







『私…うちに・・・帰るのっ・・・離して』




千葉くんの手を振りほどいて
車のドアに手を伸ばす






『片瀬・・・っ、聞けよ！』






『っ…やだぁっ・・・やめてぇっ』







『っ・・・』





ビリ…っ…




私が体をひねった反動と
千葉くんの膝に挟まる圧力で

私の着ていたワンピースの肩が
裂けて破れる音がした






『どうして…っ・・・こんなことするの？！

～～ぃやっ・・・』







『俺のが…片瀬の事知ってる！

お前の彼氏より…わかってやれるよ！！』






『う・・・っ…～～っ』




ギリっ…



私を引き戻した千葉くんの手が
私の手をより一層、強く押さえつけた




〃いたい・・・こわい・・・〃







『俺だって…あの頃とはちがう！

俺はお前の事知ってるから
この先なにがあっても

わかってやれるし
今度こそ守ってやれる！！』





『っ・・・ひ・・・』


〃・・・〃






『片瀬っ・・・！俺のこと見ろよっ！！』







『・・・言わないでよ』






『っ・・・？！』








キッ・・・っと

睨み付けたつもりなんかないけれど

再び…目を合わせた私の視線に

千葉くんは一瞬だけ怯んだ表情を見せた




『千葉くんが・・・彼の・・・私の

何を知っているの・・・』









『片瀬・・・俺は…っ』









『人が・・・人、一人を

理解するだなんて

受け入れるなんて

簡単に・・・言ってほしくない』








リョウキの何を知っているの？

私の…何を知っているの？




簡単に・・・言ってほしくない





千葉くんに言い放ったその一言は


私にも言えることなのだと思った






私も…千葉くんの

そんな気持ちを知らないから