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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

男の人が…全員こわいんじゃない


男の人が…みんな私を傷つけるんじゃない






だけど…それは・・・




私は…それが…誰であっても

リョウキ以外の人と

そんなことなんか考えられない





何よりは

もっとシンプルに…受け入れる事が出来ない





そんな私は





車の…後部座席に

仰向けに寝かされ…天井を見上げて





こんな景色を見ると


こんな…状況になると


嫌でも思い出す


忌まわしい・・・恐い記憶





『や・・・だ・・・やめて』





全身の筋肉が硬直したように動けなくなり
それは次第に震えに変わる






『ゃ・・・だ・・・はなして・・・お願い』







『片瀬っ……』












『っ…いやぁぁぁぁぁああぁっ・・・』










ドンッ…





私は夢中で
覆い被さろうとする千葉くんを突き飛ばした








『っ・・・。・・・りょぉき・・・』





気付くと私は…小さくその名を呼んで



仰向けのまま目を瞑り
解放された両手で

首につけているネックレスを
握りしめていた



出逢う前も…出逢ってからも
付き合ってからも…色々あった私に



〃『お守り』〃と言って

心配性でやさしいリョウキがくれた

小さなダイヤのネックレス




決して強く主張をせずに

いつも、当たり前みたいに

さりげなくそこにいて

変わらずに輝き続ける

まるでリョウキそのものみたいな

ダイヤのネックレス




楽しむことも

オシャレをすることも

封じ込めて忘れていた私に

リョウキが初めてプレゼントしてくれた

ネックレス




バカバカしいと言われようと

思い込みと言われようと



そこにあることで

本当に守られたような気持ちになる

大切なお守り・・・





一度も外していないそれを握りしめて


私は…涙をこらえた









私は…リョウキじゃなきゃダメなの



リョウキ以外の…どこの…誰にも



こんな事をされたくないの






神様・・・これは


私のワガママですか・・・?

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