テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今



『片瀬っ…ごめん!俺…

俺…こんな

こんな…つもりじゃ…っ

ごめん!謝るから……話聞いて?!』





大声で叫んだ私を前に
ついに力をゆるめた千葉くんは

頭に昇った血が引いた、とか
ハッとした…やっと冷静になった、とか
我に返ったかした

そんな声色で
慌てていた


目を…見る事は出来なかったけれど


私の知っている千葉くんの声のトーン


そこから

そんな様子が伝わってきた





でも・・・私








『ひどい・・・千葉くん最低だよ・・・』










これ以上ここにいることも

拒絶の言葉を発しないことも

出来なかった









『ごめん・・・片瀬・・・俺…っ

ごめんっ・・・本当にごめんっ』
















『うっ…うっ・・・うぁぁぁんっ』








少なからず・・・相手を

傷つけると・・・わかっていても





ショックだとか・・・恐怖心


悲しみを・・・堪えられなかった






『片瀬っ・・・ごめん!』








『っく・・・っ、うっ・・・

つもりが…あっても、なくても』







『・・・っ』









『あなたであっても他の人であっても

こんなこと・・・っ』






『片瀬・・・っ』










『誰であってもっ・・・

乱暴なことされるのは御免なのっ…』











『っ・・・』











『触らないで・・・っ』






パシン…っ





ガチャっ・・・






うろたえて

私を起こそうと手を伸ばす

そんな千葉くんの手を払いのけて

私は…ずり落ちるように

車を飛び出した

ストーリーメニュー

TOPTOPへ