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Best name ~ 追憶 ~

第8章 過去・・・未来・・・そして今

『私も・・・ごめんね』




『???…なんでそっちが謝る?
俺は・・・片瀬のことを…』




千葉くんの事も…千葉くんの気持ちも
ちっともわかっていなかった




『千葉くんの気持ちも考えずに
甘えてばかりいたから』





『べつに…そっちが謝る事じゃねぇだろ』





『ちゃんと…私も気持ち
伝えるべきだって…思うから』




『片瀬・・・』






『千葉くんと…また会えて
アリサやミナミと…また会えた

こんな日がくるなんて
私には夢みたいなことだったから

本当に嬉しかったの
感謝してる』




『・・・』







『千葉くんの気持ち…

正直…ほんとに驚いたけど
やっぱり嬉しかったと…思う

だけど・・・私は
好きな人が・・・います

私…その人でないと・・・ダメなの

だから…私は
その気持ちには…応えられません

ごめんなさい・・・』







緊張していた・・・すごく





そして・・・胸が痛んだ







だけど

伝えるべきこと







ちゃんと・・・伝えられた







人の気持ちは…本当に未知数で
時にどこに…どれだけ

どう向いているか
わからなくなるもの

そして・・・本当に繊細なもの



心に抱くその気持ち

向かう方向…志しは

信頼なのか愛情なのか




出来るのなら

その相手と同じ気持ちでいたい




きっと…誰もがそう願うと思うの



自分が想った相手が

同じ気持ちでいてくれたら…と



愛した人が

自分を愛してくれたら・・・と





だけど…そんな繊細なものは

私たち人間に

そう都合良くは出来ていない




大好きな人に

大好き、と…愛してる、と言ってもらえる

そんな風に

気持ちが通じ合う事は

計り知れない奇跡と幸せなのだと思う




誰もが…想い合えるわけではない

通じ合えない事の方がきっと多い




そこに悪気があったわけでなくたって

相手を傷つけることはある



私だって…少なからず

千葉くんを…苦しめた

千葉くんの気持ちを…傷つけていた

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