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Best name ~ 追憶 ~
第9章 本当の姿・・・
『・・・・・・』
シーン・・・
オレが飛び込んだリビングの音
つまりは無音だ
音よりなにより
まずは、その
誰が見てもわかる、感じる
よどんだ…と言うのか、重苦しい
その異様な空気だ
『・・・・・・な』
〃・・・・・・え?〃
言葉も足も上手く前に出ない
言わば固まった状態に陥る
リビングの真ん中
客間にもなってる
テーブルとソファの周り
少しはなれた位置に立って
呆然としている…父さん
テーブルを挟むように
仁王立ち……と言うのか
半分頭を抱えるように
腕組みして立ってる母さん
〃は・・・?〃
唯一、オレの到着に気付いて
オレの立つドアの方に足を進めてくるのは
兄貴・・・ケイゴ
そして…オレを最も焦らせたのは
そのみんなの…視線の先
『・・・??・・・?!』
オレの家族・・・そして
オレの視線の先にいたのは
床に手を着くように正座して
うつむいて
小さくなってるアイルがいた
なんとも…説明も表現もし難い
異様な光景・・・
〃・・・なんだよ・・・これは?〃
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