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Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・

『お・・・い・・・・・・?』




ガタ…



リビングのドアノブから
やっと手を離して

オレの足は一歩…
ようやくその異様な空気の中に進む








『リョウキ・・・ちょっと、…待て』





唯一、オレに気付いてと言うか

オレの方に歩み寄ってくるケイゴが

踏み込もうとしたオレを

ナゼだか制止する仕草をとった






『は!?・・・待てじゃねぇよっ

なんなんだよ〃アレ〃は?!』






『や……俺にもよく・・・

~それがな、リョウキ……』





ナゼか兄貴と小声で押し問答みたいに
ドアの前で小競り合い




オレはたまらず止まらず…





『っせぇよ!ケイゴてめぇっ

なに傍観してんだよ!?

いたならやめさせろよ!!?』









動揺を隠しきれないオレは

兄貴に当たり散らすように

そこを突破しようとする





状況も何も…事情もわからないが




慌てふためくオレの目には




床に手をついて下を向くアイル・・・



そして、それを



腕組み、仁王立ちして見下ろす




そんな・・・オレの母親の姿







理由も何もわからないが

血の気が引くような異様な光景と空気









わかりやすく…ホント、シンプルに言うなら




噂のナントカイビリ・・・




そんなもんでも連想させるような景色






事情もわからない

冷静さも欠いた

そんなオレには

その様子が、そんな風に映ったから








『リョウキ・・・あのな』




『うっせぇ!…やめさせろって
言ってるだろうが!?

なんなんだよ?!揃いも揃って
なんのマネだよっ!!』






『リョウキっ…待て…落ち着けって…』





振り切ろうとしたオレの肩を
兄貴が思い切り掴んで止めて



耳打ちするように小声で
オレに状況を説明してきた





『それが・・・な』





『・・・』





兄貴の話によると・・・

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