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Best name ~ 追憶 ~
第9章 本当の姿・・・
『当時18歳だった私は
ひとりで生きていけるようにならなければと
そればかりを考えて
復学や…それ以上の事は諦めました
カツラギさんの元で働くことは
有り難くて、私なりにやりがいもあって
何より…そんな私には
十分過ぎる幸せなことでした
私は…そういう道を選んで
今に至ります
それでいい…それだけで
私はもう十分だ、って』
アイルの言葉を除いては
部屋にはひたすら沈黙が流れた
『夢にも・・・思っていなかったんです』
絞り出すような声で
アイルが呟いた
『リョウキさんに…逢うなんて
私は…思ってもいなかった』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『リョウキさんと知り合って
親しく・・・なって
そのご家族に会う…
私なんかに、そんな日が来るなんて
思ってもいなかったんです・・・』
アイルは言葉を詰まらせながら
その一番苦しい胸中を語った
『私は…そんな
人には言えない過去を持った人間です
それが…私の…〃本当の姿〃なんです』
『リョウキは・・・知ってるの?』
母親が・・・かろうじて口を開く
『・・・』
コクン…
アイルは…ゆっくりと首を縦に振る
『私は・・・とても…リョウキさんに
釣り合う人間では…ありません
初めて…おじさまやおばさまに
お会いした時から
私・・・たくさん
ウソばっかりついてた・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『ずっと・・・黙ってて…隠してて
騙すようなことをして
ごめんなさい・・・・・・っ』
アイルは床に座って
深く頭を下げた
ひとりで生きていけるようにならなければと
そればかりを考えて
復学や…それ以上の事は諦めました
カツラギさんの元で働くことは
有り難くて、私なりにやりがいもあって
何より…そんな私には
十分過ぎる幸せなことでした
私は…そういう道を選んで
今に至ります
それでいい…それだけで
私はもう十分だ、って』
アイルの言葉を除いては
部屋にはひたすら沈黙が流れた
『夢にも・・・思っていなかったんです』
絞り出すような声で
アイルが呟いた
『リョウキさんに…逢うなんて
私は…思ってもいなかった』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『リョウキさんと知り合って
親しく・・・なって
そのご家族に会う…
私なんかに、そんな日が来るなんて
思ってもいなかったんです・・・』
アイルは言葉を詰まらせながら
その一番苦しい胸中を語った
『私は…そんな
人には言えない過去を持った人間です
それが…私の…〃本当の姿〃なんです』
『リョウキは・・・知ってるの?』
母親が・・・かろうじて口を開く
『・・・』
コクン…
アイルは…ゆっくりと首を縦に振る
『私は・・・とても…リョウキさんに
釣り合う人間では…ありません
初めて…おじさまやおばさまに
お会いした時から
私・・・たくさん
ウソばっかりついてた・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『ずっと・・・黙ってて…隠してて
騙すようなことをして
ごめんなさい・・・・・・っ』
アイルは床に座って
深く頭を下げた
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