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Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・

オレは…何と言われようと
間違っても傍観してる立場ではないが


母親の剣幕・・・と言うか
その空気に、一瞬のまれて


と言うより…なにより
アイルの口から語られる
その本心を聞こうと
耳を傾けかけていた




『私・・・は…』




アイルが弱々しく
やっと…声を出し始めては黙り
どちらにしても沈黙が流れた






『私たちに…話があって来たんでしょう?

リョウキには言えない話が…

その続きを・・・なさいよアイルちゃん

私たち・・・私が聞きたいのは

あなたの、その話よ?』






『・・・』







『話すことが…あるなら話してちょうだい』







『・・・』







『それとも、もう済んだのかしら?
あなたは…わざわざ…~ただ

自分の…そんな〃昔話〃をしにきたの?
小さくなって…ベソかいて

ただそれを言いに来たの?』







『・・・っ』





『ちょ・・・母さん・・・

何も、そんな言い方しなくてもさ・・・』






空気に耐えられないのか
見かねたケイゴが

オレより先に前に出て
話に割り込んだ






『少し黙っててって…あんたたち

~アイルちゃん?あなたは
黙ってないで答えてちょうだい

話が…もうないのなら
こちらも、特にそれ以上の話はないわ』






『・・・』







『その話を…私たちにして

あなたは何がしたかったの?

あなたは・・・どうしたいのよ?』











コク・・・


アイルの喉が微かに鳴った






顔をそっとあげて

そっと姿勢をのばして

アイルはついにオレの母親の方を見た








『私・・・』



アイルがついに

その心の声を口にする

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