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Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・

ついに語られたアイルの気持ち

その本当の気持ちを前に
オレは…脳内も心の中でも

自分の気持ちと…アイルの気持ち
その、絡むようで絡み合わない

複雑なものが入り組むように
交差していた



〃アイル・・・〃











『お話した通り…私はそういう人間です

例え昔の事であっても…
未成年の時の話であっても
消えない事実です

どんなに時が経っても、この先も
どこかで誰かに…噂をされるかも
後ろ指を指されるかもしれません

そんな人間を・・・迎え入れたい
そんな家族は…どこを探したっていない
それは当然の事だと思います』




アイルの目には…堪えても堪えても

堪えきれない

隠しても隠しきれない

大粒の涙が次々に浮かんでいた







『許してほしい、認めてほしいなんて
そんな事を…言えた立場でないことは
重々・・・重々に承知しています

だけど・・・無理は承知で
今日は、それをお願いしたくて
ここに・・・来ました』








アイルの小さな体に
全員の視線が刺さるように集中していた…









『私・・・どうしてもリョウキといたい

お願いです・・・リョウキさんとのこと
許してください

お願いします・・・』







涙が落ちる寸前

アイルは手をついて

オレの両親に向かってついに

その頭を下げた

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