Best name ~ 追憶 ~
第9章 本当の姿・・・
思いがけないアイルの返答に
キョトンとしてるオレの母親に
気付いていないであろうアイルは
半分下を向いたまま…続けた
『養父(ちち)も…言っていました
彼の家族に…誰もが必ず
あたたかい目で見てもらえる訳じゃ
それが当たり前ではない、と
広い世の中を見れば本当にその通りだと
私自身も思いました
有り難くて…幸せなことなんだ、って』
『・・・』
『有難いと、思えば思うほど
おばさま達を好きだと思えば思うほど
自分につきまとう現実を
知れば知るほど
私は…そんな人たちに
ウソをついている自分が
キライになりました』
『・・・』
『私は・・・やっぱり
〃正直に〃生きたかった』
『アイルちゃん・・・』
『・・・』
アイルが・・・誰よりも
ウソをつけない子だってこと
オレは…嫌ってくらい
知ってたはずなのにな・・・
『ぁと・・・は』
せっかく顔をあげたアイルが
またうつむき加減で呟く
『・・・おいしかったから』
『???』
『おばさまが…いつも入れてくれる
紅茶の香りが・・・心地よくて
ちょうど良い温度の…紅茶が
いつも・・・おいしかったから』
『・・・?』
『・・・』
『・・・』
『え・・・?』
オレの母親がついに
少し間の抜けた声を出した
『ぁ…の・・・私も、よく
うまく…言えないんですけど』
『・・・???』
『それに…突然押し掛けて
こんな話されても…困るって
リョウキの気持ちもなにも台無しで
みんなを…困らせるって
わかっていたけど・・・私
・・・ごめんなさい』
『・・・~アイルちゃん?』
『ごめんなさい・・・』
『あなたは…あとほんの…ちょっぴり
世間の人間の…〃爪の先〃くらいでいいから
ズル賢くなるなり、自由気ままに
器用に生きればいいのにね・・・』
『ぇ・・・』
『ふふっ……あなたは困ったくらいに
律儀で真っ直ぐで…ばか正直な
〃マジメちゃん〃なのね、アイルちゃん♪』
キョトンとしてるオレの母親に
気付いていないであろうアイルは
半分下を向いたまま…続けた
『養父(ちち)も…言っていました
彼の家族に…誰もが必ず
あたたかい目で見てもらえる訳じゃ
それが当たり前ではない、と
広い世の中を見れば本当にその通りだと
私自身も思いました
有り難くて…幸せなことなんだ、って』
『・・・』
『有難いと、思えば思うほど
おばさま達を好きだと思えば思うほど
自分につきまとう現実を
知れば知るほど
私は…そんな人たちに
ウソをついている自分が
キライになりました』
『・・・』
『私は・・・やっぱり
〃正直に〃生きたかった』
『アイルちゃん・・・』
『・・・』
アイルが・・・誰よりも
ウソをつけない子だってこと
オレは…嫌ってくらい
知ってたはずなのにな・・・
『ぁと・・・は』
せっかく顔をあげたアイルが
またうつむき加減で呟く
『・・・おいしかったから』
『???』
『おばさまが…いつも入れてくれる
紅茶の香りが・・・心地よくて
ちょうど良い温度の…紅茶が
いつも・・・おいしかったから』
『・・・?』
『・・・』
『・・・』
『え・・・?』
オレの母親がついに
少し間の抜けた声を出した
『ぁ…の・・・私も、よく
うまく…言えないんですけど』
『・・・???』
『それに…突然押し掛けて
こんな話されても…困るって
リョウキの気持ちもなにも台無しで
みんなを…困らせるって
わかっていたけど・・・私
・・・ごめんなさい』
『・・・~アイルちゃん?』
『ごめんなさい・・・』
『あなたは…あとほんの…ちょっぴり
世間の人間の…〃爪の先〃くらいでいいから
ズル賢くなるなり、自由気ままに
器用に生きればいいのにね・・・』
『ぇ・・・』
『ふふっ……あなたは困ったくらいに
律儀で真っ直ぐで…ばか正直な
〃マジメちゃん〃なのね、アイルちゃん♪』