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Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・


『アイルちゃん・・・そういう事だから♪』





『っ…ぅっ…・・・私』





母さんが泣き止まないアイルの
頭を撫で続けながら言う







『それでも・・・この先、その事で

どうしてもアイルちゃんが不安になったり

万が一にでも…どこかで

辛い思いをするような事があったら

リョウキはもちろん

リョウキをはじめ・・・私たちで

〃家族みんな〃で

アイルちゃんを守ってあげればいい』








『っ・・・』



『母さん・・・』










『だって・・・家族だから

アイルちゃんは・・・〃うちの子〃だから』









『・・・っ』














『うちの・・・〃娘〃だから・・・』












そう言って…母さんが

アイルを再びぎゅっ・・・っと

つよく抱きしめた


















『お・・・かあ・・・さん・・・』















『ぅん・・・???』













『〃おかあさん〃・・・』













『ア・・・アイルちゃん?』












『おかあさん・・・、おかあさんっ・・・』













アイルは…やっと泣き止みかけた目から


止まりかけた涙を


再びドバッと溢して


オレの母親にぎゅっと抱きついた










『・・・ふふ・・・初めて・・・

やっと・・・呼んでくれたね(笑)

アイルちゃん♪』









『おかあさんっ・・・おかあさん

ぅわぁぁぁぁんっ・・・おかあひゃぁん』







なにかプレッシャーから
解放された瞬間のごとく

完全に素になったように
アイルは母さんにしがみついて
わんわん泣き出した






『ふふふ…よしよし♪

もうなんにも不安に思うことないからね

自分の事を考えて…自分の幸せ考えてね』








『おかあしゃん・・・っ・・・ぅっ…ぅっ』









オレの母親を「お母さん」と

何度も呼びながら泣くアイルは




まるで

初めて・・・母親に

本気で甘えた子どもみたいな

そんな姿だった

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