テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第9章 本当の姿・・・

『うっ…っ・・・ぅっ…ぇぐっ…っう』



『ふふふ・・・ほら、もう泣かないの

泣~か~な~い~の・・・ふふふ♪』






人前で…そんなに感情的になることなんて

ほとんどないアイルが…思い切り泣いた


それも、オレの家族の前で

大号泣したアイル・・・





そんなアイルを

オレの母親は

ひたすらニコニコしながら

抱きしめていた




実は女の子が欲しくて欲しくて
たまらなかったらしいオレの母親

(〃息子〃のオレは…多少は複雑だ(笑))






なんたって・・・念願の?

初めての〃女の子(むすめ)〃だから・・・




嬉しくて嬉しくて仕方ない

可愛くて可愛くてしょうがない





そんな様子で

大事に…大事に

アイルを抱き締めていた





オレには…そんな風に見えたんだ










『なぁ・・・お母さん?』







『うん??』




珍しく(?)沈黙を破ったのは

父さんだった







『せっかく…〃みんな〃が揃ってるんだ

その・・・寿司でも…食べに行かないか』










『・・・』


口数の少ない父さんの一言から


なんとなく……伝わってくる、その意味







『賛成・・・お腹すいちゃったよ♪』








『ふふふ・・・そうねお昼も近いし

それに・・・・・・』






母さんがアイルを支えながら

ゆっくりと立ち上がる








『〃特別な日〃・・・だからね』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ