Best name ~ 追憶 ~
第9章 本当の姿・・・
リョウキと…その家族を騒がせて
散々泣きわめいて
そして・・・その家族の
あたたかさに触れて
すっかり力の抜けた私は…
帰りには眠りこけていた
リョウキの・・・一言に
そのまま眠りそうだった私の目が
思わず…パチリと開く
『ぇ・・・』
〃ついてこい・・・?〃
寝室に・・・と言う意味かな?
と思って立とうとするのだけど
言い出したリョウキは
ソファにもたれて立つ気配もない
『リョウキ・・・?』
『~~・・・』
リョウキが目線を私から反らして
チラチラと散らす
『・・・???』
『~~~~~・・・フゥ』
リョウキの表情が…ちょっと読めない
怒ってるでもなく…笑ってもなく
『アイル・・・』
『ぅ・・・は…はい・・・』
『ん・・・』
ガサゴソ?・・・
一瞬手を動かして
リョウキは何かを取り出した
『・・・ん』
『え・・・?』
『ホレ・・・』
大きな手の上にちょこんと乗ってるなにか
『・・・』
『早く・・・受けとれよ』
『???・・・う・・・ん・・・』
そう言ってリョウキは
それを、そっと私の手に乗せてくれた
小さい・・・箱?
『・・・・・・なぁに?これ』
『~~・・・』
『お菓子?』
『ぉ・・・おまえ・・・なぁ』
リョウキが…ちょこっと眉毛を動かして
顔を赤くしながら
私の手から箱をパッと取り上げる
『ぁ・・・』
『~~ったく・・・』
そして・・・
パカッ・・・
『あ・・・』
四角い箱は私の目の前で
パカッと…ふたつに割れた
あ・・・〃開いた〃のかな・・・
リョウキが私に向けてかざす…それは
その中からは・・・キラキラと光る
大きなダイヤモンドが出てきた