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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

私は一人、はね除けられた布団を引きずって
なるべく部屋の隅に移動して
布団を敷き直した。


やっと…眠れる。


少し埃臭い布団をかぶって目をとじた。











ボス…っ







『・・・』









暗闇の中…


頭に鈍い痛みと、重さを感じた。






ボス……っ




ドスっ……






『・・・・・』








顔めがけて……枕が投げ込まれてるらしかった



重い…

そろそろ…苦しい。




私は黙って寝返りをうって布団をかぶった。






「クスクスクス…」


「明日ドッヂボールだからな~♪練習練習…」


ひそひそ話と共に足音が近付いて
私に投げた枕を拾い上げては
繰り返し投げ付けてくる。



いたい……。




だけど私は黙って時が過ぎるのを待っていた




…けれど











『えーーー!?ほんとーー??!』








『・・・』





「は?……ちょっ…!!」





ボスっっ…!!!






突然、大きな声と
私以外に枕が当たる音…





『キャッハハハハ~~!!ヤバい!懐かしい!
ミカ枕投げ大好き~~!
当たったでしょ~?だれ~?
コートチェンジ、チェンジ~♪』





「……ば…バカ…!ミカ…っ」

「声デカイって…!」

「そんなんしたら…っ」





そんなことしたら…



当然…






「なにやってるっっ……!!?」





すぐさま職員がとんできて照明がつけられ
部屋が明るくなる


「…ヤバっ」

「…っっ」



内、何人かは
忍びのごとしの速ワザで
自分の布団に戻ったようだ




『・・・』



思わずチラリ……

私は布団から目だけ出して外を見た。



「またお前か…!」



職員に押さえられているのは
あのヤンキー


そして

ニコニコ笑って一緒に立っているのは

……ミカ。




「チッ…ざけんなよなっ、ミカっ」

『んふふ!ごめぇん
ミカ修学旅行思いだしちゃったぁ♪』


「二人とも早く来なさいっ……」





ヤンキーとミカが職員に連れられて
部屋を出ていく。



チラ…



ミカがさりげに私の方を見ていた…のに気付く。




チロっと舌を出して
私にウィンクして連れられて行った。

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