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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

『ぷっ!キャッハハハハ!
そのダッサイ墨がいいのアイル~♪?』


「っせぇミカ!ぶっ飛ばすぞテメ」


『んふっ…ミカ…気の強い子も好きだよ
カワイイ……襲っちゃおっかな…んふふ』


「はぁっ?!マジそれ飽きたしっ!
いい加減…気色わりぃぞミカっ!!」




(改めて言っておくけれど……ミカのは
本当に〃ネタ〃なのである)




『・・・オシャレ』


じゃれるミカとヤンキーをよそにつぶやいた



「……!?」



女の子の白い肌に綺麗に彫られた絵に…

私の知らない世界…というのか

少し見入っていた



それから……これは…?



『だってぇ~♪その柄もナイしさぁ~
ぷふっ…〃オトコ〃のナマエ彫るとかマジで
イマドキないってぇ~~♪
いつの人間~?古すぎ~!
今20○○年ですけどぉ~?♪
センスなぁ~~い(笑)』


中々大胆にヤンキーをからかっているミカ…
大丈夫なのかな…?

なんてことより…



『……彼氏の…ナマエ?』

腕に彫られた…男の子のナマエ



「チッ……っせぇな、キラキラのくせに」


『……なんか……いいね』


「…?!」



ヤンキーは、意外だったのか
私の反応に首をかしげていた



深い意味はなかったけど

つっぱってるのに
一途な女の子……

私なんかよりずっと…女の子らしい、女の子…

体に名前を刻むくらい
大切な彼氏がいるんだ…

なんか……いいね


そんな風に、ただ純粋に思った。


『アイ意味わかんな~い(笑)オシャレとか』

「アイルも入れたいの?」

『……』





「キラキラには…似合わねーよ

やめとけ……イテェしよ」




ポツリ…と
ヤンキーがどこか照れくさそうにつぶやいた



『彼氏が…待ってるんだね』

「~~…チッ…っせぇなキラキラ」



『いいね……そゆの』

「……オマエは…待ってるヤツいねぇのかよ?」



『……。べつに』

「~オマエ…お嬢のくせに
わりと肝据わって…気合い入ってんのな……?
泣かねぇーしさ…」



ヤンキーが、ヤンキー座り(?)をして
(……そのまんま、か)
私の顔をじっと覗き込んで少し笑った。


『ぷっ…!アイルは
気合いは入ってないでしょ?(笑)』

「て言うか…アイのは天然な気がする」

『あはっ!ミカも思ってたそれ~♪』

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