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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

なによりも、そう過ごせるキッカケを
作ってくれたのはミカだったけど…。


『ん~…アイあんた
〃素(モト)〃ワルくないよね?』

『・・・?』


ある日ミカが私をじっと見てきた。
(レズネタではなくて普通に)


場所が場所…


誰も、お互い
お化粧などしていない。

いわゆるスッピンだ。



『ね!出たらさ、ミカと一緒に働かない?
お水だけど♪』


『オミズ…?水道屋さん?』




『バーカ…;💧』

『・・・』



ミカは夜の仕事をする予定だと言う。
そしてそれに私を誘ってきた。


私は……ここを出たら
もう会うこともないと思っていたし
テキトウに流していた。


その仕事を自分がするとも思えないし…


と言うよりも
相変わらず何も考えず
考えられなくなっていた


何もかも……なくした私には。






とくに喋らない私にも
ミカはめげずによく話しかけてきた。


自分の彼氏の話だったり
ちょっと…エッチな話だったり…


いつか一等地に自分のお店を持つんだ!と。



……こんなトコにいて
よくそう、キラキラと夢を語るなぁ

と、思いつつも…

なんだかんだで賢くて、やさしくて
明るく前向きで

しっかりと目標を……夢をもっていたミカは
私には眩しくて


夢もなにも……満足な意思さえももたない
ロボットみたいな私とは違って


女の子らしい女の子……。



恋愛を楽しんで、彼氏がいて
夢があって…
明るくて…無邪気で、可愛くて


フツウの……女の子


カワイイ女の子に見えて……。





1才歳上のミカ…。




人付き合いが上手くて…世渡り上手。


そのポジティブな性格…生命力


〃未来のある子〃……と


うらやましかった。

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