テキストサイズ

TIME is MONEY

第6章 scene Ⅵ


「力抜けって…」

「分か、んねーよ…!も…っやめ…!」
もがけば痛い、もがかなくても辛い

とにかく抜いて欲しい
それだけを求めて雅紀にしがみつく


「…ここまで来てやめれるかよ…っ」
「んあ…っあ、あ、いやぁぁぁぁぁ!!」

お湯の助けも利用して、…俺の懇願なんて聞いてもくれず
腰を抑えた雅紀が一気に俺を貫いた

「全部入った…」

「痛…い、…最低…っバカ……!」
「暫く動かないから安心しろよ」

宥めるように右手は優しく髪を撫でて
左手は背中をやわやわと擦る

苦しさに雅紀の胸に体を預け、少しでも痛みを逃そうと無意識に浅い呼吸を繰り返したら

「上手だよ…」
「…え」
まるで子どもをあやすように囁かれた

「その呼吸、続けて……楽になるから」

痛みと苦しみに何もられないから、雅紀に言われるままに繰り返し

何度も “上手だよ“ なんて言われてたら

その苦しみの原因が雅紀だって事をすっかり忘れてしまった



どのくらいそうしてたのか
頭の中がはっきりしてきた頃には痛みは消え、代わりにじくじくとした疼きにそれが変わり

「あ…っ」
思わず中の雅紀を締め付けてしまい、それに気付いた雅紀が口角を上げた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ