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TIME is MONEY

第1章 scene Ⅰ



この仕事には「休日」と言うものがない

依頼があれば24時間365日、引き受けてると言う

ただし、何もない日が世間で言う「休日」だから
…正直言って、ほぼ「休日」

そんな簡単に依頼なんて入る訳がない


だって普通に考えて 【何でも屋】なんて聞いて誰がおいそれと依頼する?


しないよな
うん、俺だったら絶対しない


そして不思議なのが、お金の出所

勿論依頼主から受け取るけど、二人で生活して尚且つ俺に「給料」を渡すには絶対的に足りる額じゃない


だってこいつ、子どもからの依頼はお菓子とかそんなんで引き受けてる

“取り引きには変わらない“ なんて笑っちゃってさ


お人好しっつーか、バカっつーか…


……って、何か俺完全に馴染んでない?


考えて見れば、誰かと一緒に生活する事すら初めてだし
しかも俺、こいつの事何も知らないし

拐われたはずが、今じゃただの同居…





「どしたの?難しい顔しちゃって」
ふいに雅紀に顔を覗き込まれ

「うわっ!」
いきなりのどアップに仰け反って、壁に頭をぶつけた


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