テキストサイズ

TIME is MONEY

第8章 scene Ⅷ


翔の言う通りだと思った

自分の欲望の為なら他人を陥れる事を何とも思わない両親の許に育って

それをおかしい、と思えたのは自分でも凄いと思う

…ってのは、今気が付いた事で


翔に言わせればその無意識な気付きが、歪まないでまっとうな人間の証らしい



「で、さっきの続き。お前の顔は幸い割れてない。しかも親は金に負けてお前を手放した。

だから、これで潰した後にお前には危害は向けられない」

「…そこは分からないんじゃないの?
調べる奴はとことん調べるだろ」

「そこだよ」

翔が雅紀に視線を向けた


「雅紀は汚い潰し方はしない。調べたところでお前が相葉の籍にいれば、手を出す意味がない」

…そんなの、分からないじゃないか

籍がどうだろうと、憎ければそんなの関係ないだろ
“坊主憎けりゃ…“ じゃないけど


「基本、大抵の人間は雅紀のやり方には非を唱えない。だから大丈夫って意味なんだけど、…まあ、中にはバカは一定数存在はする」

でもね、と翔が続ける


「そこは、籍を入れた以上こいつが何とかするから」

そう言ってにっこり笑う翔が



…やけに恐ろしく感じた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ