TIME is MONEY
第8章 scene Ⅷ
「んーと、にの?」
「…なに」
さっきの雅紀の発言で動揺した俺は、翔の顔が見れなかった
「俺からも確認なんだけど」
「なに」
「それ聞くって事は、俺らと一緒にいるって決めたと捉えるよ?」
「……ああ」
俺の、新しい時間はここで始まった
“二宮“ を捨て(とっくに捨てられてたけど)、別の人間として生きる
この道を選んだのは俺だ
誰の指図も受けてない
だって
いくら選択肢を突き付けられたとしても、それ以外の道を選ぶ事だって出来た
なのにそれをしなかったのは自分
楽な方に流されたのは俺
「まあ、基本はこれまでと変わらないから」
「へ?」
なにそれ
どういう事?
だって会社興すんだろ?
俺が裏で取り仕切るんだろ?
こんな、何でも屋みたいな事から手を引くんだろ?
「この仕事は当分止めないよ」
「はい?」
ちょっと待て
どういう事だそれ
「翔ちゃん…はしょりすぎ」
雅紀が翔の肩を叩いた
「大事なとこ削ると、またかずが怒る」
“あのね、かず“
雅紀の目が、真剣さを帯びた