TIME is MONEY
第8章 scene Ⅷ
話は難しい事じゃなかった
新しく会社を興すのは変わらないけど、まずは俺の親の会社を潰す為の入念な作業が必要な事
敵を作らないように、じわじわと追い詰めるには
いきなり表立った動きは見せられない
だからこれまでと同じ仕事を続けながら水面下で動く
……ここで、生田の名前が出た
生田は翔と雅紀を自分の会社に欲しがっていた
こいつのとこも、表向きの事業とは別に際どい事に手を出していて、危ない橋を渡る事を厭わない雅紀達を自分のとこに引き込もうとしていたらしい
嫌だと突っぱねたとこで引きさがるような、柔な奴ではないから、会社を興したのを知れば間違いなく邪魔に入る
「なに、その際どい事って」
「お前を拐った時に追ってた奴らの元締め」
「…アチラさん関係か」
「そういう事」
確かそこは翔が大野とカタを付けたって言ってたはず
「まあ、そこで見込まれちゃったってやつ?」
翔がケラケラと笑う
何なんだろう、この軽さ
ホントこいつらは良く分からないのは変わらない