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その、口の端から伝った糸を雅紀が舌先で舐め取っていく

頬の下を辿り、首筋に舌が行き着いた瞬間

「あ…っ」

そこをねっとりと舐められ、そのざらりとした感触に身体が震えた

雅紀の舌はそこにとどまらず、俺の頭を抱き抱えて項にもそれが向かう

かとおもえば再び顔に戻って、余すとこなく顔面にキスをして

「ちょ…っ、擽ったい…、んぅっ」

小さく抗議した唇を塞がれ、言葉を奪われてしまう

今度のキスの主導権は完全に雅紀が握った

俺が負けじと舌を伸ばすとあっさりと逃げられて、それどころかその伸ばした舌を軽く噛んで引っ張られる

「ふ…、…っ」

主導権を握られてるのが悔しくて、両手で雅紀の頬を抑えるけど

悲しいかな、翻弄されるキスにあまり力が入らないから

結果的には強請るようにしか雅紀には見えないようだ

「…随分積極的じゃん」

舌を離した雅紀が口角を上げる

「そう見えるならそうなんだろ」

負け惜しみにしか聞こえないんだろうけど、俺のちっちゃなプライドが雅紀に噛み付きを見せた