TIME is MONEY
第2章 scene Ⅱ
『あのさ、朝に言いそびれた事があってさ』
朝とは違う、機嫌の良い翔の声
「…なんすか」
どうせろくな事じゃないだろ
『俺。25日誕生日なの』
「それはオメデトウゴザイマス」
ほらやっぱり
…面倒臭いから棒読みで返してやる
『でさ、25日そっち行くからお祝いよろしく!』
「は?」
『ダチ連れてくから、きちんとおもてなししろよ?』
「何で俺がっ!」
意味分かんない
何で俺が翔の誕生日を、…しかもそのダチまでもてなさなきゃいけねぇんだよ
『とにかく決定事項だから!んじゃよろしくぅっ』
「あ、ちょっと…っ!」
言うだけ言って切れた通話
画面には “通話が終了しました“ の文字が光って
いる
「何なんだよ!!」
「え、どしたの…かず」
いきなり怒鳴った俺に、雅紀が不思議そうな顔を浮かべた
「どしたもこしたもねぇよ!何が誕生日だ
…何がおもてなしだっ」
「あ!そっか!」
え、なに?…そっかって何が?
「かず、ごめんだけど美味しいケーキ屋調べて!」
「はぁ?」
「翔ちゃんロールケーキが好きだから!」
「だからなんで?!」
「とにかく調べて!」
雅紀の勢いに押され、渋々パソコンを開くしかなかった俺
マジで意味分からない