テキストサイズ

TIME is MONEY

第2章 scene Ⅱ




ちょっとの間フリーズして、すぐに我に返った

「何勝手に仲間認定してんだよ」

思いきり嫌な声と睨みで雅紀を威嚇するけど
…雅紀は相変わらずへらっとして動じない

「翔ちゃんには逆らえないでしょ、かず」


その言葉に思わず詰まった
確かに、何故か分からないけど翔には逆らえないから


「だいじょーぶ!友達もいい人達だから!」

友達 “も“ ?
“も“ ってなんだよ

お前らはどこをどうとっても “いい人“ じゃねぇだろ


勝手に誘拐しといて
“帰さない“ なんて言って軟禁しといて

あげくに俺を手込めにしようとしといて


それのどこに “いい人“ の要素が含まれてるんだよ


何も口に出さなくてもさすがに言いたい事は察知したらしい雅紀は
苦笑しながら、コーヒーを持って俺に差し出した

「はい」

…それだって、俺がセットしたやつだっつーの


無言でコーヒーを受け取って、一口含めば
口に広がる苦味と香りに少し落ち着きを取り戻した俺は


「で?…何人来るんだよ」

これ以上無駄な抵抗はやめた
無駄な労力は使いたくない


ストーリーメニュー

TOPTOPへ