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TIME is MONEY

第2章 scene Ⅱ


俺の言葉に、雅紀がホッとしたように笑う

「翔ちゃんの他に2人だよ」

「全員ケーキ食うの?」

俺は甘いものはいらない
食べない


「んーと、潤は食べないから3人」

どうやらダチの1人は “ジュン“ って名前らしい

「友達って女?」

それなら少しは楽しみはある
ついでに言えば口説く自信もある

だけど

「残念ながら2人とも男」

その期待はあっさりさっぱりと
一言で崩れ落ちていった


「…ったく、最悪……」

「まぁまぁ」




暫くネットサーフィンをしていて、ようやく近場で評判らしい店にヒットした

まだ捜せばあるんだろうけど、もう面倒臭い

見ればネット予約もできるみたいだし、もうここでいいだろ


「雅紀、ここにするぞ」

「え、どれ?」

隣からパソコンを覗き込む雅紀
思いの外近くに顔が来て、思わず首を竦めてしまった


……まだ、近くに来られると身構えてしまう
思い出したくもない記憶が甦ってしまう


「…どしたの?」
「もっと離れろ!」

「だって良く見えない」

そう言ってまた近付くから、首に雅紀の吐息が掛かって
…俺は無意識に唇を噛み締めていた

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