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TIME is MONEY

第2章 scene Ⅱ



そして当日

殺風景な部屋が、まるで幼稚園のごとく飾り付けられていく

案の定俺も手伝わされる羽目になって


良い年した大人が輪飾りとか、『お誕生日おめでとう』のボードとか
あげくに変な王冠みたいなおもちゃとか


…やっぱりこいつらおかしい



いそいそと朝早くから飾り付けて
雅紀は、料理も作ってて

後は “主役“ を待つだけって奴になった


10時前になった時

「かず、俺ケーキ取りに行くからさ
翔ちゃん達来たらよろしくね」

「はいはい」

適当に返事して、一段落した俺はコーヒーを啜った

だから雅紀が、出掛け際に何か言ったのを聞き逃してしまった

この時ちゃんと聞いて置けば良かった

後で後悔するのは間違いなく俺なのに




だけどこの時は、そんな事知るよしもなかったんだ




付けっぱなしのテレビを何となく眺めながら2杯目のコーヒーを口に運ぶ

たまに1人になると
必ずと言って良い程 “俺、何やってんだろう“ って疑念が沸き上がる

沸き上がったところで答えなんか見つからなくて
溜め息ついて


…こんなんばっか

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