テキストサイズ

TIME is MONEY

第3章 scene Ⅲ


そう言われていても

雅紀はかなりピリピリした様子で睨んでるし
むしろ、こいつの方が余裕そうに見えてるんだけど

…ああ、力は強いか
馬鹿だけど

馬鹿だから加減が分からなくなっちゃうとか?


なんて勝手に想像したら思わずおかしくなって

小さく吹き出してしまった



「何笑ってんの…」
前を向いたまま、雅紀がちょっと呆れた声を出した

「いや、ごめん…何でもない」

適当にはぐらかして、その場を凌ごうとしたら


「緊張感奪ってくれてありがとう」
そう言って笑ったのは、雅紀じゃなくて
目の前の男だった


「相葉、…この面白い奴誰?」
「お前には関係ない」

うんうん、確かに関係ない
…ってか、雅紀とも関係あるわけでもないと思う


「まあ、確かに関係ないけど

…そういう訳にもいかないっしょ」


「生田……」

“生田“ って言うんだ、こいつ
まあ、どうでもいいけど(笑)


「会長が呼んでる」
「俺は行かない」

「いやいや、お前がどう思おうと連れてくし」
「だから行かないっつってる」

雅紀がまた俺の手を握りしめた

…分かってるよ
逃げるぞ、って意味だろ?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ