TIME is MONEY
第1章 scene Ⅰ
だってだよ?
この額を出すって事は、絶対簡単な仕事じゃないだろ
相当身の危険があるんじゃねぇの?
「そもそも…何でも屋って何だよ」
話はそこからだ
「え、名前のまんま何でも屋」
“雅紀“ がしれっと答えるけど
それ、答えになってないから
「だーかーら!仕事内容!」
ダメだ、こいつと日本語で会話すんの難しい
俺は頭の良さそうな “翔“ に視線を向けた
「ん?ああ、つまりは犬の散歩から身代わりまで、自分が引き受けられる仕事を請け負うの」
「…身代わり?」
「んー、身代わりってか代役?」
あまり変わらない気もするけど
「で、今回はさ」
ようやく俺は、ここに連れてこられた事の発端を知れるのか
「要は、その会社の裏を見ちゃったってやつ」
「何でそれだけで追われんの?」
一切公言しません、って一筆書きゃいいじゃん
「そこさ、元締めがアチラさんだったんだよねぇ」
“翔“ が人差し指で頬を切る真似をする
「え、それって…」
もしかしなくてもそうだよね?
「無理無理無理無理っ!!断る!」
冗談じゃない!