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MITO

第4章 初勤務

『……ま゚』


 やや、心配そうに氷辻の後をついていく。


「まず、水戸さんにやってもらいたいのは、ハイエナと、その奥にありますハゲ鷲に餌をやって、オリの掃除を……」


 水戸さんは死んだフリをした。


 死んだ者が、死んだフリをしても意味がないと、改めて思い直した水戸さんは、立ち上がって神に手を合わせた。


 氷辻は、血の匂いが漂う怪しげな場所に来た。


「こちらは肉食動物用の餌を準備する、冷凍室と冷蔵室、そして調理場です」


 まず、入ったのは調理場だ。調理場には、調理に使うとは思えない、チェーンソーや、オノ、何かを吊り下げる鉤があった。


「えっと、まずですね、ハイエナとハゲ鷲の餌を用意します」


 水戸さんは自分を指差した。


「いえ、餌は水戸さんではありません。ウサギの肉です」


 水戸さんはホッとして、胸を撫で下ろす。


「こちらです」と氷辻が、木の箱を持ってきた。


「こちら、死んでから、炎天下に2時間放置したウサギです。これを上げて下さい」


 水戸さんは箱を覗きこんだ。


『い゙い゙気゚味'だ(か、かわいそう……)』



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