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MITO

第4章 初勤務

『か゚ね゙も`と゚(トラ!?)』


 猛獣なんて無理。ここは、家政婦にそんな危険なことをさせるのか?


「トラは危険ですから、誰も近寄らないんですよ」


 そりゃそうだろうと、水戸さんは思った。


「まず、トラ等の猛獣用の餌を作ってくださっている、解体専門のジェイさんを紹介します」


 やってきたのは、先ほど来た、怪しい調理場だった。


『ギュイーーーー』


 なにか音がする。


 中を見ると、牛を1頭、生きたまま解体している、大柄な男がいた。


 その男はチェーンソーを片手に、牛を細かく切り刻んでいた。


 顔には、動物の皮を縫い合わせて作ったようなマスクをつけ、髪は長髪で乱れ、血で汚れた白のエプロンをかけている。


 立ったままの牛の足を、1本ずつ切り落とす。牛は悲鳴を上げるが、徐々に悲鳴が聞こえなくなった。


「おい、ジェイさん。ご苦労」


「死霊のはらわた(あ、どうもどうも)」


「どうかね、調子は?」


「食人族(いい牛が入りましたよ。これなら、うちのトラも食べるでしょ)」


「そりゃ、松阪牛だからね」


 水戸さんは思った。なぜ、会話が成立しているのかと……。



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