君を好きにならない
第6章 アイツ
「大丈夫か?」
酔ったのか
真琴はいつもより
表情が緩く
少し眠そうな目をしていた
「大丈夫」
そして
なぜかタメ口
そんな真琴の隣に
俺もロックグラスを持ったまま座った
「強いのか?酒」
「…多分。
友達と飲んだりすると
僕が一番強かったから」
「高校の友達か?」
「うん」
「BLの友達か?」
「それもいるし
そーじゃないのもいる。
4人でいつもつるんでて
そん中の2人が付き合ってて
だからこーやるんだぜーとか
教えてもらってて」
と言いながら
真琴は
バックから
タチがハメてるような仕草を見せた
(笑)
酔ってんなコイツ
でもまだ正気だな
全部友達の話になってるし。
「真琴が付き合ってたヤツも
同級生か?」
「それは後輩で…
リョウって名前で
でもなんか続かなかった。
多分俺が悪いんだけど」
リョウ…か…
「なんでお前が悪いんだよ」
「友達と遊んでばっかだったし
あんま上手くなかったし
あっちも」
(笑)
あっちとか言うなら
まだ酔ってねーな
「向井さん」
「ん?」
「それ、ちょっと
飲みたい」