君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜
真琴を部屋に残し
俺は近くのスーパーへと
向かった
スーパーのカゴに
最近気に入ってるガムを
まず入れて
それから野菜コーナーに
向かった
「あっ…聞いてくんの忘れた
嫌いなもん
ま、いっか」
真琴の好みを聞いてないことに
気付いたけど
腹減ってたら
何でも食うだろうと
俺は食材をカゴに入れはじめた
資料によると
真琴はもともと
この辺のヤツじゃない
高校生の時に
小説のコンテストで優勝し
作家デビュー
それ以降の出版小説も
もなかなかの売上で
高校卒業を機に
上京したらしい
が
上京した途端に
小説は
鳴かず飛ばず
そんで
担当が俺に回ってきたんだが…
「フライパンとか
ねぇよなぁ…多分」
食材の他に
フライパンや調味料も
カゴに入れ
俺はレジを済ませた
両手に
レジ袋を持って
歩いてると
ふと
コーヒーショップが
目に入った
野郎が2人
並んで座って
コーヒーを飲んでるのが
見える
まぁ
そいつらは友達同志
なんだろうけど
なんでか
コーヒーに
砂糖いっぱい入れる真琴を
思い出して
頬がゆるんだ
くっそ
真琴の野郎
俺を
ニヤつかせやがって