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君を好きにならない

第13章 追跡



ブーーーッ


電車が動き出すと同時に
俺の携帯が震えた


真琴だ


俺は急いで
真琴からの返信を確認した


あんなに
見るのが怖かったのに
携帯が震えた瞬間
真琴からの返信を
見たくて見たくて
たまらなくなったんだ

文字だけでもいい

真琴と会話できることが
嬉しかった


会いたい


真琴に
会いたいんだ…俺


そう思いながら見た
真琴の返信は


『はい』


二文字だった




…それだけ?



それだけなのかよ
…真琴…


『そっけないと
凹みますよね』


ふと、マサシのセリフが
脳裏に浮かんだ


マサシ…

究極のそっけなさだったよ



くそっ…


俺、やっぱり真琴が
好きなんだ

言葉少ない返信を見ただけで
こんなにも
悲しくて…たまらない


真琴を好きでいても
どうにもならないのに
好きで好きで
どうしようもない


それなのに…こんな返信…


もう一度
真琴からの返信を見直すと
一気に涙が込み上げきた



泣きたい



思い切り
泣きたい



泣いて
真琴への気持ちを
流せるのなら

流してしまいたい



泣きたいんだマサシ…





マサシ

ごめん

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