君を好きにならない
第2章 真琴!死ぬなよ!
立ってるのもやっとなのか
真琴は
俺の腕を固く掴んでいた
「大丈夫かよ…」
そう呟きながら
真琴をベットに寝かせて
布団をかけてやると
「やわらけぇ…」
って言いながら
真琴は気持ち良さそうに
目を閉じた
「当たり前だ
お前のコタツと比べんな」
「………」
「…真琴?」
「………」
寝ちまったか…
真琴は
寝息すら立てず
死んだように
深い眠りに落ちていった
はぁ……
それを見ている
なんとももどかしい……俺。
まだ
あどけない真琴の寝顔を見てると
たまらなく愛おしいという想いと
絶対に手を出してはいけない
という思いが錯綜する
もちろん
俺が担当の間は
手を出したりしねーけど。
けど…
こいつ
俺を何ひとつ拒絶したりはしねぇけど
俺を
どう思ってんだろう
少し目にかかった真琴の前髪を
ゆっくりと人差し指でどかせると
軽くて長い睫毛が俺を誘惑する
真琴…
お前
好きな男いるのか?
どんな男が
好きなんだよ
なんで
なんで
そんなに
無防備なんだよ
俺は
少し乾いた真琴の唇に
指でそっと触れると
心の中で
大きな溜息をつきながら
あいつのことを
思い出していた