君を好きにならない
第3章 誘ってんのか?
またため息をもらしたマサシを見て
俺はまたチラッと下半身に目をやった
「忘れてたらマズイか?
なんかマズイことやったか?」
してねぇとは思うんだけど
妙に溜息ばかりつくマサシが気になる
「・・いえ・・何も」
「そ、そうかそうか
ならよかった」
「よくないですよ」
「なんでだよ」
「なんかあって欲しかったんですから」
スネたようにそう言うと
マサシは立ち上がり
俺に背を向けて歩き出した
なんだよ全く
真琴みてーだな
しばらくすると
マサシは戻ってきて
俺に熱いコーヒーを渡した
「ありがとな」
「いえ」
「コーヒーもだけど
酔ってんのに連れて帰ってくれて」
「・・いえ」
「機嫌なおせよ」
「機嫌悪いわけじゃないです」
「悪いじゃねーか。
なんか元気ねーし。
いつもの強気なお前はどーしたんだよ」
「・・・じゃあ」
「ん?」
「お礼に一つ
お願いしてもいいですか?」
「なんだよ、言ってみろ」
「・・・」
「遠慮すんな」
「・・キスしてください」
「は?」
「・・もう一回だけ・・」