隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
ホタルには、叔父さんの記憶がまだ残っているのか
リビングを見渡す視線が誰かを追いかけているようだった
「ま――――…私の話はいいわよ、で?バカな女の話を聞こうじゃない?」
ホタルは、話を切り出しながケトルのお湯を紅茶ポットの中に注ぐ
「ほんと――――…バカな話し…だよ…聞きたい?」
私は、ここ一ヶ月の話をホタルにした
ホタルは、黙って最後まで聞いてくれた
話せば話すほど――――…
自分の愚かさが露見していく
それでも……ホタルは黙って聞いてくれた