隣は空席のまま…
第6章 一軒家の他人
ホタルは朝食を食べ終ると、食器を洗いながら私を呼び止めた
「彩芽――――…立ちくらみ頻繁ならちゃんと病院行きなさいよ」
私は、ホタルの気遣いに――――素直に驚いた
「ぅ…うん」
昨日の事だし…ましてや――――私の事なんか厄介事だろうと思っていたから…
嬉しかったし…照れ臭かった
「人生――――…何があるか解らないものよ?ババアなんだから、健康に気を使いなさいよ!」
「むかつく――――…あんたより若いわよ」
三十代の馬鹿げた会話だが…私にはありがたい馬鹿話だ