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隣は空席のまま…

第7章 ホタルの叔父



「小笠原さんが、死を意識したあたりに…私に言ったんだ…」




キッチンで腰を気にしながら椅子から立ちあがったマスターは私を見て笑った




「“俺が、死んでも悲しむなよ?ホタルが…俺みたいに誰かを拾って来るかも…知れないぞ”って――――…


だから、ホタルが彩芽ちゃんを連れてきた時は…ビックリしたんだよ



小笠原さんの言ったことが当たった!ってね」





私は、その時――――…ふわっと暖かい物に包まれた




そして、マスターの差し出すハンカチの意味が解らなかった―――が―…自分が泣いているのだと…気がついた




ホタルと叔父さんの――――…絆に




私は涙していたのだ










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