隣は空席のまま…
第8章 不安と天秤
「――――…に、妊娠…?」
今…私は、どんな顔をしているんだろ…
祝福モードで妊娠を告げた先生の顔がみるみる不安そうに変わる…
「――――…蔵主…さん…ご結婚は…?もしくは…ご結婚の予定は?」
「――――…していません…
予定も…ありません」
先生の顔は…多分…私と同じ顔になっているのだろう
強張り…青ざめ…不安そうな――――…
顔
「――――…予期せぬ…妊娠……性的暴行に合ったとかではありませんか?」
私の絶望的な顔色で先生の口から驚きの発言が出たが――――…私は首を横に振る…
レイプなんかで出来た子なんかじゃない…
子供を作る…行為を――――…私は、自ら望んでやっていた…
2ヶ月…前
私の部屋の――――…小さな…ベッドで
私は…あまりのショックに口を押え動けなくなった
「――――…何ヵ月…ですか?」
やっと絞り出した声は…
私を心配する先生の耳に届いただろうか?