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隣は空席のまま…

第8章 不安と天秤


「連絡もない、帰っても来ない――――……心配になって探してたのよ!」




「――――ホタル…」





見つけた瞬間の私は…どんな風だっただろうか…



途方に暮れた…惨めな姿だったのではないとだろうか…



「――――――――そんな顔…しないの…

ちゃんと聞くから…聞いてあげるから…」





グッとホタルの手に力が入った




「――――――――ホタルの手…暖かい…」





ホタルの手は本当に暖かくて…



握り返した私の手は――――――――…多分…




死ぬほど冷たかったに違いない







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