隣は空席のまま…
第1章 嘘つきの魅力
「―――…ナンパ…されたつもりは無いし、子ネズミちゃんって、恥ずかしいです……
それに…女子会って――…貴方…男……よね?」
ホタルは、煙草を灰皿で押し消すと「はぁ~…」っと、呆れたように私を見る…
「ったく…ノリの悪い女ね!!?いいの!それとも…こっちの世界に偏見でもあるタイプだった?」
「いや!!偏見は無いわよ!私だって…後ろ指さされる事…してるわけだし…」
そう…
女装趣味だろうが…
オカマさんだろうが…
彼らは…誰にも迷惑はかけていない…
むしろ…“不倫”をしている私の方が……
よっぽど…やな女で…軽蔑されるだろう――…
「やだ、あんた――…犯罪者?」
「違うわよ!犯罪じゃないわよ!不倫は――――…」
!!!私は、慌てて口を手で塞いだ!
“不倫”
その言葉が口から出てしまったことに、今さら…後悔する