隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
ホタルの料理は全てが美味しかった!
が、ホタル的にパンの
出来がいまいちだとパンを、口にする度にブツブツと改善策を練っていた
「あ、そうだ――――…朝御飯の件だけど…
朝御飯じゃなくて…”お昼御飯“を一緒に食べない?」
私は、マスターの案をホタルに伝えた
「はぁ?だって――――…喫茶店は?」
ホタルに、ビックリした顔で私を見つめる
「マスターが、営業時間の変更を提案してくれたの…」
実際…喫茶店にはランチタイム以降に客が入る
11:30からの営業時間でも困らない
「早く店を開けても誰もこないだ訳だし…って事でそのぶん…当日していた仕込みは…喫茶店が終わってからになるけど…朝は、ゆっくり休んで?ブランチを二人で食べてから行動するの」
「――――…彩芽…」
「朝―…じゃなくて…ブランチを一緒に食べよう?」
マスターが提案してくれた…
これなら…ホタルは、もう少し長く寝ていられる…
私も…負担にならない…
叔父さんの時間帯ではないけど…一緒にご飯を食べるスタイルは代わらない
「いいの?そんなこと…して?私のために…」
「ホタルだけのためじゃないよ~!私も楽、マスターも楽!なんだって!」
ホタルは、笑いなが何度も頷いた…
「――――夜の方…辞めようかなって思ったりもしたんだ…
でも、まだ辞めなくていいのね……ありがとう…」
ホタルはハンカチで涙を拭うと…ありがとうと頭を下げた