隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
「ここまで大きく成長してくれて…感謝しかないです――――…
なのに、名前とか着けてあげられなかった…」
ホタルはそんな彼女の手を掴み…
「大丈夫ですよ…この子には、その感謝が伝わってます――――…愛されていることを…感じていると思いますよ?」
「///はい――――…ありがとうございます」
女性はその後…看護師に呼ばれて診察室に入っていった
名前とか…着けなくても…ちゃんと伝わっていると
ホタルは教えてくれた
…この子にも感謝が伝わっているといいなぁ…
と、彼女のように私もお腹をそっと撫でてみた
「――――…診察室に私も行くからね…」
小声で囁くホタルに…
ダメ――――…なんて、言えなくなってしまった