隣は空席のまま…
第10章 壁の大きさ小さ
抱き締められる私は…ホタルの“好き”の意味を考えてしまう
「ホタル――――…私だって、ホタルのこと…好きだよ?」
そう、私だって――――…ホタルには感謝しているし…
大好き
でも――――…なんか…
この抱き締め方とか……キスとか――――…
違う気がする――――…
「バカ――――…私の“好き”は、本当の…“好き”よ――――…
さっき――――あのバカ女と彩芽の間に入った時に――…この感情に気がついたのよ!」
「え…ぇ?さっき!?」
「ええ、さっき!」
ホタルは私と向き合う形になると…
照れた顔を私に向けた――――…