隣は空席のまま…
第11章 自分の在りかた
意識しなくていい――――…
今まで通り接する――――…
難しい…
私はそんなに器用じゃない……
昔は――――…二股をかけられていても
相手に奥さんがいても――――…
なんとか飲み込んで…生きてこれたのに
どうし――――…
ホタルが相手だと…こんなにも飲み込めないのだろう
ホタルは――――…私とどなりたいのだろうか…
ホタルは…私のダメな所ばかりを知っているのに…
どうしてそんなに気持ちになったんだろうか…
マスターの煎れてくれたコーヒーは…ほんのり口のなかで苦味を広げ
私のモヤモヤした気持ちに手を差しのべ
“落ち着いて…落ち着いて…”
と、背中を擦られているいるように…安心する
「私―――…こんなにダメダメなのに…」
「そうだね…君はいつも…一生懸命で…ダメダメだね――――…」
マスターは、微笑みながらコーヒーを飲み干した