隣は空席のまま…
第12章 握る手――…それは
もっと…素直になれたのなら…
もっと…可愛いげのある性格だったなら…
もっと…もっと――――…
あぁ…全て…私が悪いんだ――――…
「――――…ホタル…私…
ホタルが…好きなんだよ――――…嫌われたく…ないんだよ」
たばこの臭いが窓から逃げていく…
開け放した窓の下のソファに一人…
薄れ行く…たばこの臭いとホタルを重ね…
私は項垂れる――――…
「――――…今更…こんな気持ちに気付いても遅いのに…
バカだな――――…私…」
「――――本当に…バカよ…彩芽は…」
開けた窓から…
私を包むような――――…
暖かい風が…私を自己嫌悪から救う…
「――――ホタル…」