隣は空席のまま…
第12章 握る手――…それは
開店前の喫茶店の中――――…
すっかりたばこの臭いが消えた店内
広いとはお世辞にも言えない店内のテーブル席に…
私とホタルは向き合い座る
「――――どうして…昨日はあんな事…言ったの?目がね――――…怯えていたわ」
私はホタルを拒絶した昨晩の事を思い出す
「怖い夢を――――…見たの…」
するとホタルは、「やっぱり」とため息をついた
「怖い――――夢だった…
ホタルが…付き合うならお腹の子を早く中絶してほしいって――――…私に言うの…」
「////はあ?!彩芽!私がそんなこと言う訳――――」
私は、頭を横に強く振った!
「解ってる!解ってる――――ホタルがそんなこと言うわけが無いって!
違うの――――…多分…私が…そう思っていたのよ…
私がホタルと一緒になりたい!付き合いたいって思ったら――――…お腹の子を…邪魔だと…思うかもしれないって…」
ホタルは…私の言葉に何も言わなかった
「――――…この子が居なければ…って考えてしまう自分がどこかにいたんだと思ったら――――…
この先…恋愛なんてしてはいけないって…思ったの――――…
私の深層にある――――…愛情の不安に…夢が気づかせてくれたの」
だから――――…私はホタルの思いに答える事が出来なかった!
怖かった――――…
いつか…この子を疎ましく思ってしまう可能性がある自分が…怖かった