隣は空席のまま…
第2章 冷めたコーヒーを…
「――――コーヒーを…貰えますか?」
「…――――はいよ…」
マスターは、多くを聞かず―…
コーヒーを準備し始めた…
誰も居ない…
ホタルが居ないだけで…ここは…
こんなに静かなんだ――――――――…
「―――――…別れたんです…付き合ってた…彼と…」
「――…そう…でしたか…」
焙煎された珈琲豆を挽きなが…マスターは、背中で私の話に返事をした…
「――――…奥さんがね…
彼の…奥さんが…迎えに来て…………
彼は…奥さんの所に――…帰ったわ…
“今まで、ありがとう”――…って…帰ったわ…」