隣は空席のまま…
第3章 記憶の中の甘いズレ
短い…返信――――――…
そのやり取りは…続いた―――…
あの頃の様に――――――…
私は―――…女になっていた…
『会いたいな…』
会いたい―――…?
“不倫”
の、二文字が―――…私の頭をよぎった―――…
また…あんな惨めな思いをするなんて―――…
私には考えられなかった…
『それは…無理でしょ…』
一線を―――…引けた…
私は、大丈夫…
そう―――…思ったのに…
『会いたい―――…から…来ちゃった…開けて?』
返信されたメールを見て…愕然とする…
「嘘…そこにいるの?」